記憶の表象

イラストレーションブログ
記憶の中の何かを形にしていく作業

そんな一日

20140502 ゴールデンウィーク、行楽にはもってこいの晴れ空からは、まるで初夏のようなジリジリとした日差しが降り注ぐ。とは言え特にどこかへ行くということもなく、ヒバリの声を聞き飾窓からのぞく猫を眺めながらのんびり歩く。  砂利道に足元を注意しながら歩を進めるとあちこちにケシが花を咲かせている。花壇があるわけではなく、道端にオレンジ色のケシの花が点在しているのだ。まさか野生ということはないだろうから、誰かが種をまいたか風に運ばれて飛んできたのか。いかにも日本的な古い建物の間に咲くオレンジの花は、ちょっとばかりミスマッチだ。  本当のことを言うとケシの花は嫌いだ。なぜ嫌いなのかと問われると、はっきりしない輪郭だとか派手な色彩だとか、もしかして過去に絵に描いて失敗したことがあるのではないかと自分の記憶を疑いたくなる。  すっかり色彩にあふれた街並みを一回りすると、暗くなった西の空に細い細い月が浮かんでいた。そんな一日。
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Comment

  1. 日向日和 より:

    連休最終日。
    昨日の雨も上がり、新緑がきれいだろうなと思うけれど、出掛ける気分にもなれなくて。
    田舎町だけれど、それでも混むのが苦手で。

    ケシの花は可愛いですよ。
    あのふわふわした花びらの感じを写真に撮るのは難しく
    絵で表現するなんて凄いです。
    見てみたかったな。

    私は新緑の候が一番好きかな。
    木々の生命力を感じるから。
    あの柔らかそうな黄緑色の葉っぱを見ると
    食べてみたくなる。笑 (^^ゞ

    • Marsh より:

      日向日和さん
      描いた記憶はあるのですが、ものすごく濃い霧の向こうではっきりと思い出せません(笑)
      この季節の緑は本当に目に栄養ですね。
      木蓮の花があんまりおいしそうなんで食べたことがあります。

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