記憶の表象

イラストレーションブログ
記憶の中の何かを形にしていく作業

小さな画材屋

20130325b  ここに越してきてからもう少しで1年が経とうとしている。必要な物はその都度電車に乗って大きな街まで買い出しに出ていたのだが、一番重要な画材は近所 でも手に入るという事が最近わかった。家から歩いて数分の所に美大受験の看板を掲げた場所があるのは早くから知っていたのだが、そこが小さな画材屋だとは 思いも寄らなかったのだ。  入口から折れ曲がって奥に続く店内は、大きくもなく小さくもなく、必要最低限の物は取り敢えず揃うというような品揃 え。その売り物と一緒に受験生たちのデッサンや平面構成が並べてある。2Hから6Bの鉛筆や木炭を買っていたあのころの記憶が瞬時に蘇ってきて面白い。記 憶の中のあの店もこんな小さな所だった。  店番はコテコテの関西弁のおばちゃん。話を聞いてみるとその予備校はほとんど関西の有名美術大学に進学するのだとか。東京の大学に行く子はほとんどいないらしい。なるほどなるほど、並べてある絵を眺めてうなずくのである。
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