夏の構成

20130814 お盆の陽差しは殺人的で、コンクリートで出来たマンションは日が陰っても太陽からうける膨大なエネルギーを蓄え続ける。大きなタジン鍋で蒸される前に、わずかでもベランダと廊下に打ち水をして、その向こうの清々しい空気を取り入れなければならない。  焼け石に水をかけるがごとくの作業だが、その蒸発していく水は独特の香りをもって古い記憶を呼び覚ます。真夏のプール、水泳の授業、塩素の臭いと冷たい青い水。ばしゃばしゃと跳ね上げる水が焼けたコンクリートにかかって蒸発する、あの時の臭い。  ずっとプールの臭いは塩素の臭いだと思っていた。屋内プールでの記憶は確かに塩素の臭いばかりなのだが、あの学校の屋外プールでの臭いは確かに水が蒸発する時の臭いだった。若しくはコンクリートから発する何かだろうか。ちょっと座り込んで膝小僧の臭いをかぎながら、僅かばかりのタイムスリップ。

今年のレモン

20130811 昨年の春にカミさんからもらったレモンの木。結局形の悪い実が一つしかならずそのまま放置してあったレモンの木。今年はこのレモンの木、何故だか全く実が大きくならなかった。去年アゲハの幼虫に葉をたくさん食べられてしまったせいだろうか。それとも暑すぎる今年の夏の気候のせいだろうか。  レモンの木に実はならなかったが、去年の実が土に落ちて、そのまま肥料の足しにでもなればいいと思っていた所からひょっこりと双葉が現れた。一つ二つ、ちょっとひっくり返してみたら三つの種から芽が出ていた。食用にする実でその種を発芽させる事は難しいと考えていたから、何だかびっくりしてしまった。  今年は実が付かなかったレモンの木。来年は親子でたくさん実をつけてくれないだろうか。