オオカミ速報

20140705 ベランダでくつろぐ昼下がり、突然どこからか聞こえてくる緊急地震速報のアラート。慌てて携帯やテレビを確認しても世の中は何事もなく普通に動いている。近頃こんなことが何度か繰り返し起こって正直辟易している。  そのままベランダで聞いていると同じ音色で音楽も流れてくるので、どこかで誰かがサンプリングした音を流しているのかも知れない。それにしてもはた迷惑な話だ。あの音を聞くと2011年のあの日から続く陰鬱な日々が頭の中をよぎる。首都機能がマヒし、物がなくなって不自由な生活から徐々に回復しつつも余震の速報に神経を尖らせる日々。もう忘れてしまった様でいて案外深く心の中に根を下ろした出来事だったのだ。  今日もどこからか流れてくるアラートのメロディー。しばらくそのまま聞いているとアナウンスが聞こえてきた。行政が試験放送を行っていたらしい。有事に備えるのは素晴らしい事なのだが、もう少し配慮ができないものだろうか。あの音に慣れてしまうことが恐ろしい事に感じるのだが。