記憶の表象

イラストレーションブログ 記憶の中の何かを形にしていく作業

あかり

20130912 我が家の照明は基本電球色。暖かみがある赤い色が夜の落ち着きを演出してくれるので、すべてを電球色にしている。ただ、仕事部屋だけは赤い色かぶりが正しい色を認識出来づらくなるので、白色の照明を入れる事にしている。  引越を機会に古いスタンドを処分して、IKEAでちょっと洒落たスタンドを買ってきた。時代はLED、スタンドももちろん発光ダイオードだ。ところが何を勘違いしたのか電球色のLEDを買ってきてしまった。これではスタンドを置く意味が全くない。  意外と高いLED電球、白熱球と同じサイズの物よりもちょっと小さめのE-17口という物の方が値段が高い。そんな事で躊躇して、いったいいつちゃんとした環境になる事やら。いっそ日が傾いたら何もしない事にしようか。

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夏の終わりに

20130911 季節はいつの間にかすっかり秋。肌を焦がすような陽差しが照りつけようとも、風は優しく夜は涼しい。日没の時間もすっかり早くなった。  またまた引越をした。今度はしばらく腰を据える事になりそうだ。前二つの場所で段ボールの箱にしまわれたままだった宝物を一つ一つ開封していく。お気に入りの陶器のヤモリやアンモナイトの化石を何処に飾ろうか。  秋の乾いた風が吹き抜けると、地中海の気持ち良い季節を思い出す。そう言えばあのあたりも山に登ればアンモナイトがたくさんとれると聞く。一度はそんな渓谷に登ってみたいと思うのだ。

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夏の構成

20130814 お盆の陽差しは殺人的で、コンクリートで出来たマンションは日が陰っても太陽からうける膨大なエネルギーを蓄え続ける。大きなタジン鍋で蒸される前に、わずかでもベランダと廊下に打ち水をして、その向こうの清々しい空気を取り入れなければならない。  焼け石に水をかけるがごとくの作業だが、その蒸発していく水は独特の香りをもって古い記憶を呼び覚ます。真夏のプール、水泳の授業、塩素の臭いと冷たい青い水。ばしゃばしゃと跳ね上げる水が焼けたコンクリートにかかって蒸発する、あの時の臭い。  ずっとプールの臭いは塩素の臭いだと思っていた。屋内プールでの記憶は確かに塩素の臭いばかりなのだが、あの学校の屋外プールでの臭いは確かに水が蒸発する時の臭いだった。若しくはコンクリートから発する何かだろうか。ちょっと座り込んで膝小僧の臭いをかぎながら、僅かばかりのタイムスリップ。

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今年のレモン

20130811 昨年の春にカミさんからもらったレモンの木。結局形の悪い実が一つしかならずそのまま放置してあったレモンの木。今年はこのレモンの木、何故だか全く実が大きくならなかった。去年アゲハの幼虫に葉をたくさん食べられてしまったせいだろうか。それとも暑すぎる今年の夏の気候のせいだろうか。  レモンの木に実はならなかったが、去年の実が土に落ちて、そのまま肥料の足しにでもなればいいと思っていた所からひょっこりと双葉が現れた。一つ二つ、ちょっとひっくり返してみたら三つの種から芽が出ていた。食用にする実でその種を発芽させる事は難しいと考えていたから、何だかびっくりしてしまった。  今年は実が付かなかったレモンの木。来年は親子でたくさん実をつけてくれないだろうか。

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ロバミュージアム2013

roba 今年のロバミュージアム参加作品を今日タンバリンギャラリーに発送した。明日が搬入締め切り日、結局ギリギリになったが無事作品は出来上った。  昨日は一日作品を眺めて、手を加える所はないか考えていたのだが、どこか足すと際限なく手を入れて違う物が出来てしまいそうで、結局手をつけずに完成とした。手の止めど頃というのは難しいのだ。途中で思いついた手法は別の作品で試す事としよう。  真夏の東京、外苑前の少し駅から歩く場所にあるギャラリーだが、近隣には洒落たカフェや画廊もたくさんあるので、お時間ある方はぜひタンバリンギャラリーを訪れてみて欲しい。ここだけの話、ロバマイスターとして参加される大御所の作品がビックリするくらいの安価で販売もされているのだが、これは早い者勝ち。参加作品はいずれも力作揃いなので、それだけでも暑い中見に行く価値はあると思う。 タンバリンギャラリー ロバミュージアム2013 リンク

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三大苦

20130713 夏が来て猛暑日が続きはじめたら、とたんに腰の調子が悪くなった。医者に診断してもらったわけではないのだが、座骨神経痛的な物が季節の変わり目になると出やすい体。暑さに体が追いつかなかったのだろう。  一日どこかが痛かったりだるかったりすると、それだけで人生不幸のどん底のような気分に陥る。と言うのは言い過ぎだとしても何をするにも気力が萎えるのは非常に困る。風邪気味で腸に膨満感や鈍痛を覚える時に出かけなければならないような状況もひどい物だ。時間が経って調子を取り戻した時に、健康な体ってなんて素晴らしいのだろうと感動さえ覚える。  世の中たいがい物事は三つ連なると相場が決まっている。三冠・三馬鹿・三重苦。日常生活を送る上で支障となるある意味決定打となりえない不調の残りの一つは何か、腕を組んで空を見上げて考えてみた。・・・二日酔いか。語るに落ちた。

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梅雨の合間

20130703 昼過ぎから南よりの風が強くなった。南からの風は梅雨時の湿度を含んで、南向きの窓を全開にしても全く涼しくならない。あまりに風が強いので窓を閉めた。  夕暮れ近くなると南風が止んだようなので窓を開け放しに行くと、今度は西からの風。西風は火照った肌に丁度気持ちいい涼しさだと窓を開け放つと、間もなく雨を連れてきた。  窓の開口を小さめにして扇風機でぐるっと部屋に涼しい空気をまわす。一番涼しい部屋に猫たちがわらわらと集まってくる。猫と一緒にちょっと一休み。

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夏雲

20130627 季節によって空の様子は様々だけれど、一番のお気に入りはやっぱり夏の空。混じり気のない氷のような冬の青、空高く筋雲がたなびく秋の空、ほんのりと煙った春の空、どの空よりも躍動感あふれる夏雲と、その白さが強調する真っ青な夏空が良いのだ。  空を見上げながらそんな事を考えているといつの間にか足が止まっている事に気がつく。立ち止まって惚けている場合ではない。そんな夏の空の良さを伝えるために描き続けなくてはいけないのだ。歩き続けなくてはならないのだ。

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夏が来る。

20130607 梅雨入り宣言が出たとたんに毎日真夏のような晴れ空。気象庁が宣言を撤回しようか検討していると噂に聞こえてくる気持ちの良い青空の下をバイクで走る。田園地帯は先週まで苗を寄せ植えしてあった田に、溜池から水が引かれている。早い所ではもう耕耘機を持ち出して田植えが始まっていて、乾いた土に水が染み込む時に発するのであろう湿った臭いがふわりと風に乗って届く。  幼少期を過ごした街に水田があったのは物心つくかつかないかの頃まで。だから田植えを手伝ったり泥んこになったりと言う思い出はほとんど無い。その代わりに湿った土の臭いと晴れた空で思い起こす事が一つある。丁度今頃、梅雨の晴れ間になるとやってくるプール掃除。冬の間隣の小さい池から魚を放流して大きな池のように濁っているプールから水を抜き、魚を元の池にもどして泥を落とし、夏の水泳の授業に備えてプール開きの準備をするのは、毎年我が水泳部の仕事だった。  晴れた空の下、学校の中で公然と水遊びが出来るイベントが大好きだった。夏が来る準備をする様で泥臭さなど忘れてしまうほど心が浮き立ったものだ。今考えると冬の間とはいえ魚をプールに放流する学校はなかなか面白い校風だった。それで誰が得をするわけでもないのだが、水泳部の面々だけは土曜日の昼下がりなどに釣りを楽しんだ。釣れたという記憶は全くないが。  水田に水が満ち、小さな生き物たちが何処からか湧き出でて、待ち望んだ夏が来る。

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期間限定デコレート

20130604 一体全体どういういきさつでそうなったかは覚えていないのだが、左の親指の爪に血豆がある。爪の内側にある小さな血豆で、毎日成長する爪と共に爪先へと移動していく。血豆が出来てからどれくらいが経っただろうか。1ヵ月?1ヵ月半? 最初は甘皮の下にあった血豆がゆっくりゆっくり爪を縦断して、今は白く伸びた爪先と共に指からはみ出している。  今日あたり、伸びた爪と一緒に爪切りで切り落としてしまおうと思っている。長い事「早く爪が伸びないか、邪魔な血豆が移動してくれないか」と思ってみていたくせに、いざ切り落とそうかという段になると何だかちょっと惜しいような気もしてくる。女性と違って普段爪に色や絵を置くようなオシャレをしていないから、ちょっとしたワンポイントのドットでもいつの間にか普段と違う自分の一部と思っていたのかもしれない。  しかしこのまま爪を伸ばし続けるわけにもいかない。さっさと切ってしまって、アクリル絵の具の残りでもはみ出させて塗っておく事にしよう。

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